ぺぺと申します。お世話になっております。
大変参考になりました。今後の展開に生かしたいと思います。何歳なっても反省とチャレンジの繰り返しです。ヴァンガります#ブシロード RT @koenote_blog: なぜD4DJは失敗したのか?ブシロードの声優起用について思うこと https://t.co/3WkFfgP42t いつにもまして内容がダメダメなので早朝にこっそりと
— 木谷高明 (@kidanit) 2021年4月7日
さて、またブシロード関連になりますが、よく声優関連のブログを投稿しているこえのおと氏のブログがブシロード代表取締役社長木谷高明氏に引用されたことが少し話題になりました。
これについて改めて語るブログになります、よろしくお願いします。
結局グルミクは失敗したの?
TwitterでD4DJ 失敗って検索すると、いや私は成功だと思うとか、失敗はしてないけど迷走してるとか、1年も経ってないのに失敗はないだろとか様々な意見が飛び交っているが(そもそも成功してると言う人の理由が失敗の内因を用いてるのがアレだが...)
専門家でも著名人でもない、趣味で投稿している一般人のブログに、そのコンテンツの、しかも社長ともあるお方が引用して「大変参考になりました」と言った時点で失敗を認めたも同然
というのが筆者個人の見解である。
なぜならこのツイートにおいて木谷高明氏はこのブログに対し一切の否定を発言していないからだ。むしろ参考になったとまで言っているのだから、リリースから約半年間挑んだD4DJプロジェクトに対する懸念は木谷氏本人もあったのかもしれない。
事実、ブシロードは2021年度第一四半期の決算において、営業損失8200万円、最終損失1億5400万円で赤字転落と発表した。その背景として以下の画像の通り、D4DJ本格展開にあたる広告宣伝費を賄えなかったのが大きな理由になるだろう。
この時期、D4DJGroovy Mix! アプリリリース開始の宣伝として約8億~9億円の広告費を、しかも平時の広告費、販売促進費に上乗せした形で出したそうで、筆者としてはもう馬鹿かと言いたいところではあったが、何にせよ社運(笑)を賭ける一大プロジェクトという物だからここまでもしてでも相当自信があったのかもしれない(というかプロジェクトを展開しすぎ)。しかし結果は思うように伸びず、赤字となってしまった。
もちろん、これ以外にも新型コロナウイルスによって思うような商品展開、満足なライブ開催ができなかったことも含めていると思うが、やはりこの8億円という数字はこのご時世で賄うのは、トーシローの筆者も難しいと考えている。
グルミクが伸びなかった外的要因と内的要因
木谷氏が引用したこえのおと氏のブログの内容は、2つの理由を中心に記述していたが、内容が少し足りなくて、それで失敗したのかと言われるとやはりいや失敗はないだろという声があがるのも無理はない。その記事には書いていないある1つのアプリと欠陥が見え見えな内的要因が存在するからだ。
一応本記事を下記に引用しておくので、そちらで記載している理由はこの記事では簡易的に説明するのみとさせていただく。
また、別の記事で詳しく記載している有志の方がいらっしゃる。そちらもご参考程度に貼らせていただく。有志の方はIP関連といった商業的観点から中心にお話されているので凄く説得力のある記事だと筆者は思っている。ブシロードはそろそろ専門家を呼んで商品展開について色々ビシバシ言われればいいと思う。筆者はそういう売上関連に基づいて批判していくのも好きなのだが如何せんユーザーはそういう商業に詳しくないキッズばっかなのでこちらではそのキッズにも分かってもらおうと敢えて商業関連は控えめにする。
こえのおと氏のブログ↓
なぜD4DJは失敗したのか?ブシロードの声優起用について思うこと | こえのおと
noteで記載されているブログ↓
バンドリとD4DJとブシロード②~バンドリとD4DJの何が悪いのか~|うえ(note)|note
思うように伸びなかったやつの存在
実際内的要因の方が多く見られがちな本件だが、実際外的要因に1番大きく伸びなかった原因があると筆者は思っている。
こいつだ↓
D4DJ Groovy Mix!リリースの10月25日の約1か月前にSEGAとCraftegg協同のPROJECT SEKAI feat初音ミク、通称プロセカの存在が大きく挙げられる。
筆者としてはまずこいつが1番の原因だろと思ってるし正直こいつが嫌い。
このプロセカは、以前からアーケードの音ゲーとして展開されていたが、それをBanG Dream!と同じような新規キャラクターとグループを交えて新しくリリースされたアプリである。
こんなものに勝てるわけが無い。相手は10年以上続く大手コンテンツのVOCALOIDである。しかもこれをアーケードの都合上とはいえ、CHUNITHMと似たような形の音ゲーとして展開したのである。ユーザー層はボカロ好きから歌い手厨、音ゲーマーや果ては皮肉にもバンドリーマーまで吸い込んでしまった。
また、新規キャラクターはBanG Dream!と似たような個性をハッキリ分けたグループにしつつも、男性と女性を交えたグループを2つ用意した。この男性キャラ採用が特にウケ、若者女性を多く、かつ様々な分野から取り寄せられたと筆者は考えている。事実、iGageにて集計されたユーザー構成では、男性よりも女性の方が多いという結果が出ている。もちろん女性陣が好きな若者女性もいる。
次にユーザー構成を見てみると、最も多いのが10代女性で、10代男性、20代女性と続きます。配信後1ヶ月と直近1ヵ月で比較すると、10代女性が32.1%から33.2%、20代女性が18.8%から19.7%と、女性若年層のユーザー比率が上昇しています。一方10代男性で25.7%から23.1%、20代男性で14.3%から12.6%にユーザー比率が低下しており、新しいゲームが配信されるとそちらに移動する若い男性層は回遊している傾向と言えるでしょう。【グラフ③】
特にナイトコード。他担当声優も小倉唯氏や降幡愛氏といった様々な事務所から取り寄せているので、上記記事にあるそれバンドリと一緒じゃんという心配もない。なんならMachico氏もいる。
結果的に本記事とは関係ないが、上記のように、特にブシロードの中心的売上コンテンツであったBanG Dream!に飽きを示したユーザーも一気に吸い込まれてしまい、BanG Dream!自体の売上も急激に落ちてしまっている。なんならプロセカと協同した卵くんは、先に開発したガルパを差し置いてその金で先に無料10連をしているので相当タチが悪い。
では、プロセカとD4DJでいったいどこに差がついたのだろうか
1.キャラクターと声優の被り
上記記事では、D4DJが失敗したのはキャラデザであると記載しているが、どちらかというとキャラクターの多様性ではないのだろうか。デザイン自体は正直十人十色というか、いろいろ人によって分かれると思うので(それでも、あまり好みではないという声は多かった)その中でこのキャラとこのキャラが似ているがためにあまりウケなかったのかもしれない。何よりもイラストがウケなかったとか言ってしまうと絵師に対して失礼だし名誉毀損1歩手前まで行ってしまいそうなのでこちらでは省く。これにプラスしてブシロード内での声優被りが背景として重なっている。
例えば、西尾夕香氏演じる主人公格の愛本りんくというキャラがいる。彼女の性格は明るく前向きで、やることに対しては必ずやるという、どことなくこれもBanG Dream!の主人公戸山香澄と似ているのだ。何なら声優はご存知愛美氏であり、D4DJではPeaky P-keyの山手響子を演じている。
と、このようにキャラクターの性格、個性、グループのジャンルがBanG Dream!とほぼ被ってしまっている状況で、差別化できる部分が少ないことが、マンネリとなってしまった。他、声優被りは主要メンバー6グループ、24人に対し計17人と非常に多く、被っていないところは新人声優か元AKB48の平嶋夏海氏や、本業はコスプレイヤーで趣味でDJをしていたつんこ氏のような声優業の経験がない人、どちらかである(元WUGメンバーの高木真佑氏とかは除くとして)。これだけ声優被りが激しいのに、レジェンドとして水樹奈々氏や小宮有紗氏、果ては古谷徹氏や竹中直人氏が出演予定のユニットを発表しているのが何とも理解に苦しむというか、いや最初からその勢いでやれよ笑というツッコミしか出てこない。
一方で、プロセカは多様な声優陣が集結している。上記にも記載したが、有名陣からは小倉唯氏、降幡愛氏、Machico氏をはじめ、ブシロード内で(作品系列として)被っている声優陣は中島由貴氏、佐藤日向氏のたった2人である。また、BanG Dream!との差別化を図るために2グループに男性陣が設けられている。これがほぼ女性陣で勝負するブシロードといくらボカロという大手が背後にあるとはいえ、一発目となるプロセカでついた差の1つではないのだろうか。そして、この多様な声優陣と各ジャンルにおけるグループ分けといったところは、皮肉にもバンドリ!と酷似していることも伺えるだろう。
2.明らかに差がついたゲームシステムの複雑さ
次にゲームシステムについても差が分かれていると感じる。2つとも音ゲーであるが、分からない方のために簡単に説明すると
- プロセカは難しいけど分かりやすい
- グルミクは難しいし分かりづらい
といったところか。
プロセカはDeemoやCHUNITHMと同様の、上から降ってくるノーツの大きさや場所で判定を区分する音ゲーである(思ったんだけどこういうのって名称あるの?)。
ノーツの種類はタップ、ホールド、フリック、スライドの4種類であり、上述の通り判定レーンはあるが、ノーツの大きさがそのレーン何マス分かで降ってくる形式。なのである程度の音ゲーを触っていればすぐに慣れる。難易度は5つあり、そのうちの最上級masterはかなり難しいが、とりあえずクリアはできそうな譜面が多く、だからこそ難しいけど分かりやすいと表現した。
対しグルミクはそれこそガルパやデレステのような、レーンに沿って固定の大きさのノーツを処理する音ゲーである。
ノーツはタップ、ホールド、スライド、フリックに加えて、左右のスクラッチフリック、スクラッチホールドが存在する。デザインはもちろん本題のDJを使ってDJ気分を楽しめるように設計されている。このスクラッチに関してはフリック、ホールドどちらもノーツの始点から終点まで真ん中のレーンのノーツが止まるという仕様がある。
これが厄介で、初見殺しは数多くの楽曲、譜面に存在する。この仕様で心が折れた人は少なくないだろう。また、スクラッチフリックは異例の16分として降ってくることも、特に上位のexpertではよくあり、チュートリアルではこれをまるでDJのように楽しめるだろ!!とかノリノリで言ってくるんだがタイミングがシビアだし少しでも擦りが弱かったり位置がズレていたりすると抜けてミスになったりするのでタチが悪い(個人の感想)。
だからこそ、グルミクは難しいし分かりづらい、と表現した。慣れに時間を要するのは当たり前のことではあるが、結果的に慣れるまでに諦めてしまう、プロセカで全然十分と思ってしまう人も現れたのだ。これがプロセカとグルミクにおいて現れた大きな差であると筆者は考えている。
3.アプリリリースの被り
そして終いにはアプリのリリース日がほぼ被っていると過言ではないあまりにも間隔が近すぎることもあげられる。
先にリリースしたのはプロセカであった。9/30のことである。
対してグルミクのリリースはご存知10/25。1ヶ月どころかたった25日しか間隔がない(プロセカも言えることじゃないけどちょうど給料日にリリースしてるのがブシロードらしいよね)。
逆のパターンでも似たような結果にはなると思うが、やっぱりリリース期間がここまで短期間だとすぐ次のゲームにのめり込めるかどうかと言われたら否である。ましてや前者がボカロ、他アプリとほぼ似た音ゲーの構成であるならば皆そっちに動いてしまうのは言うまでもない。
結果的にプロセカのアクティブ初動は約70万人に対し、グルミクのアクティブ初動は実は3万もなかったりする。
他にもグルミクがあまり多くのユーザーに受け入れられなかった原因はある。
育成難易度もリリース当時は非常に高かった。例えば、最高レアの☆4は、最高レベルにするために特訓を4回しなければいけない。今でこそ毎日のように経験値チケットやキャラ専用のクリスタルが手に入るが、当時はまるで手に入らなかった。ガルパは1回特訓させて10Lvあげればいい話なのにこの差である。チケットは主に
銅<銀<金<虹
の4種類があり、右に行くほど1枚につき貰える経験値が多くなる。この貰える経験値がまあ少ないのにも関わらず、入手できる場所、枚数もまた少なかった。
銅チケは曲プレイ後の報酬、交換所等広く手に入るが、1枚につき100経験値しか貰えない。
銀チケは1曲のスコア報酬のC,B,A、イベントのポイント中間報酬で手に入る。報酬1つにつき5枚なので1曲1難易度につき、15枚、4つあわせて60枚貰えることになる。
金チケはeasy,normalのスコア報酬A,S、イベントの中間報酬で貰える。こちらも報酬1つ達成で5枚、合計で20枚が貰える。現在は何とか記念みたいな形でほぼ毎日貰える。
虹チケはコイン交換かキャンペーンしか貰える方法がない。1枚につき20000コイン。
と、まあこれだけ見るとそれなりに貰えるかも分からないが当時はこれ以上に入手手段が限られていた。金チケに関してはリリース当時は何とか記念で貰えるわけでもなかったし、銀チケもイベント報酬における枚数もあまり少なかった。
これだけ供給が少ないのに需要は多かった。☆4をLv80までにするのに必要な経験値は
1~40→145,500
40~50→140,000
50~60→200,000
60~70→344,000
70~80→1,665,500
合計で250万となる。銅チケで換算するとして、総計で必要な枚数は25,000枚。おまけに5倍までしか報酬を伸ばせなかった上にそれでもなお75枚しか貰えなかった。これでさらに割れば☆4を1人最大レベルまであげるために必要なライブ回数はなんと333回となる。
どう考えても初心者に優しくない鬼畜仕様である。もちろん他のチケや交換を含めれば必要なライブ回数等は減るが、それでも気の遠くなる需要と供給が全く成り立っていなかった最悪の育成環境であった。そのため、☆4を早く最大凸するならひたすらガチャを回して貝殻を手に入れ、それを2つで10000しか貰えないコインと交換して20000枚で貰える虹チケとさらに交換するという方法しかなかった。
反面、スキルのレベル上げはガルパと比べると容易ではある。特に、親密度5000到達ごとに貰えるキャラチケットは独自のシステムであり、常に日頃から手に入ることも含めると上記と似たような環境でスキルチケットの供給が少ないガルパからすればありがたいものだ。
また、こえのおと氏のブログにでも指摘があるが、ブシロードといえば様々なジャンルの曲のカバーを提供しているが、このグルミクも例外ではなく様々な楽曲をカバーしている。が、カバーの提供も兼ねて成功となったガルパと違ってジャンルどころか世代まで多種多様に取り込んでしまった。
というのも、このグルミクを提供するにあたって木谷氏はバンドリ!に多く分布する10代20代がいても、30代40代の方が人口が多いことを逆手にそれらもターゲットにし新規獲得を試みていた。実際に、カバーでは恋愛レボリューション21やキューティーハニー、銀河鉄道999といった90年代の楽曲が多く見られる。DJMixのみであれば、ルパン三世のテーマや暗雲うずまくナメック星、メドレー形式も取り込んでロックマンやストリートファイターといった80年代の曲も取り入れている。
ただ、10代20代の人がパワーホールや忍者じゃじゃ丸くんを知っているかどうかと言われたら極小数だし、逆に30代40代が女の子がDJをしているゲームにのめり込んだとしても上記のような複雑さを兼ねた音ゲーにハマるかと言われたらそれもまた極小数かもしれない。というかアイマスで足りているんじゃないのだろうか。偏見だが。そして何よりも、その3代40代において1番広く知られていたであろうユーロビート楽曲が何一つとして収録されていないことも挙げられる(m.o.v.eの代名詞曲のGamble RambleとBlazin' BeatはMerm4idがカバーしているし、何ならそのカバーもユーロビート押し殺しで完全に別曲になっている)。多分ユーロビート何曲か収録していれば少しは30代40代の客層も取れたような気はしなくもないが...。
その後グルミクはモンハン、ついにはホロライブ、五等分の花嫁といったコラボを行い10代20代に再びターゲットを絞り始めた。当初の予定とは大きくズレてしまっている。
あくまでグルミクの失敗であってD4DJの失敗ではないのだろうか
ここまでなぜ思うようにユーザー、売上が伸びないのかという原因を話してきたが、筆者がまとめた原因はあくまでもグルミクのことであり、上記ブログではD4DJとして失敗論をまとめているが、筆者はグルミクとして失敗したのは事実だが、D4DJとして失敗したというまでには行かないのではと思っている。
事実、D4DJを本格的に世の中に展開していくきっかけとなったグルミクのリリース時はコロナ禍で経済が大きく右肩下がりしている状況であった。もちろんグルミクはおろかD4DJとしても有意義に商品展開を進めることは難しいことであろう。ライブができるようになった2020年7月以降でも、会場の半分に人を抑えないといけなかったり、未だにドーム系のような大きな箱を抑えることも難しく思うように収入が安定していない。たまたま時期が悪かったのである。
D4DJとして失敗したのであれば、ブシロードはもうD4DJを捨てているのではないのだろうか。というか、グルミクにそこまで力を入れず後に出たアサルトリリィ ラストバレットやガルパ!の復権に力を入れると考える。だが、グルミクは今現在でもイベント毎にお得パック(という名の売上乞食)の販売をし、カバーや原曲提供も行っている。
また、少し話はズレるが、元々グルミクがリリースする前のプレリリースにおける事前登録者数は最終的に100万人を突破していた。少なくともその100万人はD4DJに興味を持っていた証であり、筆者もその一人である。それが結果的に先にリリースしたプロセカや他のゲームの存在、そしてアプリ内の欠陥で初動アクティブ3万人という大転落となったのはアプリがダメなだけでコンテンツとして失敗とまで解釈するには早いと感じる。
また、グルミクはやらないけどD4DJは好きというユーザーは少なからず存在しているのではと考えている。というか筆者の偏見だがこっちの方が多いんじゃないかなと思っている。コンテンツとして失敗するのは、もうあと半年ぐらい待つべきではないのだろうか。それでもなお、D4DJ全体として売上が伸びない、低迷しているという決算においてその原因となればそれでああこのコンテンツは失敗したんだなと言える。
しかし、実際のところブシロードにおける売上の大半はMOG(モバイルオンラインゲームの略、要するにアプリ)部門が占めている。
要するにコンテンツにおける大半の売上をアプリに委ねてしまっているような状況下である。思い返せば、BanG Dream!もガルパのリリースで急激に売上と知名度が広まり(反面やってきたユーザーは酷かったが)、ブシロードとしては1番力を入れるべき事業であったはず。故にこのグルミクも売上が低迷してしまっている現状は非常にまずい。なぜならアプリにほぼ売上を委ねているのだから。
また、少しグルミクからハズレるが、これは他の方のブログでも推測されているがブシロードはこのMOG事業と同時にライブ事業も並列して盛んに行っている。その中でその発端となるBanG Dream!では、Poppin’PartyとRoseliaの声優が実際に楽器を用いて演奏を行うリアルバンドライブという活動も行っている。要するにアニメのキャラが本当に現実に出てきて演奏するそのような光景をブシロードはライブにおける売りとしてきた。そして、BanG Dream!が売れる度にそのライブ回数をラブライブ!やTHEiDOLM@STER以上に増やしていった。2019年度では2月21日の日本武道館から、5月にポピパとサイサイの対バン、7月にRASの神戸ワンマン、1か月後にRoselia野外ライブ、その4ヶ月後にロゼRASの合同ライブ、と平均約3~4ヶ月ほどの期間でライブを行っている。だいたい半年ぐらい期間を置く前者たちらと比べたら明らかに頻度が違うことに気づけるだろう(これのせいでくど〇るやつ〇ぎは、目の下に化粧でも隠しきれないほどのクマができてしまっている)。
しかし、キャラとして演奏、パフォーマンスをするとしても出てくるのは中の人なので、その2つのユニットはついに声優のユニットとして独立してしまったのである。コンテンツから声優ライブが分立してしまったということは、つまるところコンテンツとしてのライブではなくなってしまったので、コンテンツ全体として盛り上がらないのだ。
また、回数を重ねて声優ライブとして独立してしまった以上、アプリをやらなくてもライブが楽しめるという事象が発生してしまっているのだ。これは、元々ブシロードアプリでの曲のMVが少ないこと、アニメで放送したストーリーが微妙な評価ということもあるのだが、例えばデレマスのライブが終わる度に 怪文書の如く 感想が飛び交ってそれがバズったりもする。BanG Dream!ではそんな事例を見たことがない。
ライブ終わりました!楽しかったー!疲れた!エンカしてくれた人ありがとう!!
これで終わりである。まあ何とも省エネな。デレマスにおける感想は過去の事例や様々な場面から怪文書として投稿されるが、その中にはアプリのMVやストーリーから引用している方もいる。もちろん10年続くカテゴリーだからこそ感動が生まれる要因は多種多様に存在するのだが、反面上記のようなお子様にも優しい感想で終わるのであれば別にガルパをやってまでライブを楽しむ必要性は0と考えていいかもしれない。そして、声優ユニットとして独立してしまっているのでPoppin’PartyやRoseliaとして応援するだけならアプリをかじる必要性は皆無であったりする。
この話をしたのは、これらの原因においてD4DJではさらに顕著であるからだ。上記で記したグルミクはやってないけどD4DJは好きというのはここに現れている。アプリを持っていなくてもD4DJの曲は好きという人は十二分に存在しているし、じゃあアプリを入れてみようかなとなっても上記のようなポンコツ欠陥アプリなのでモチベーションとして続いて行くような要素があまりないように見える。D4DJが好きという話であれば曲を聴いたりグッズを集めたりするぐらいで事足りるのだ。究極、コンテンツ自体は興味なくてもこのユニットの曲かっこいいよなで話が纏まってしまう。いや是非アプリも入れてくださいよ...!と話が次に進まない。
以上の事柄を踏まえて、冒頭でも説明したようにコンテンツを担う企業の社長が一個人が趣味で書いた批評のブログに参考になりましたと言ってしまった時点で失敗を認めたも同然というのは受け入れ難いが事実なのかもしれない。
そして、その発言は自身が立ち上げたコンテンツを大きくしてくれたクリエイターに対する配慮が欠落しているし、グルミク展開以前からD4DJとして好きになっていたファンに対する無礼でもある。そりゃそうだ、今まで追いかけた大好きな作品が失敗だと言われたら。失言にも程があるのだ。
終わりに
実際のところ、リリースから1ヶ月もしないで失敗と言われてしまっていることから、アプリの提供としては初動は失敗として終わったのかもしれない。
グルミクとしての欠陥は現在は少しずつ解消(特に育成関連)の傾向にあるが、やはりゲーム性が多くのユーザーを受け付けず、一方的に売上は伸びず月に平均1億円という数字が続いている。ついにはディグランクとかいう変な総合力上昇制度みたいなのを設けて必死にお金を集めようとしている。
上述の通りモンハン、五等分の花嫁とコラボを重ねつつも、当初のターゲット層である30代40代を再び取り戻せないか、ついに小室哲哉氏作曲のカバーまで手を伸ばし始めた。ブシロードはとんでもない人を手にしてしまったのである。
と、このようにまだまだブシロード側としてもこのD4DJをさらに上の世界に導けないのか、日々試行錯誤の上で活動を続けている。我々としては彼らの商業的活動をひたすら待つことしかできない。しかしD4DJが大好きなユーザーを失望させるような行動、発言は絶対にできない環境にいるので、他コンテンツ、他会社との競争に勝つことも重要だがまず、自分たちを支えてくれている会社員、声優、各クリエイター、そしてコンテンツを愛するユーザーを大事にしていかなければならない。それをレビュースタァライトのように一旦外に投げ出してしまえば、再びコンテンツとしての失敗と騒がれてしまうだろう。